商標出願が拒絶査定となった場合、何か対応方法はありますか?

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商標の拒絶査定とその対処法

・拒絶査定になったというのは、どうして? また、どういう状態?
・拒絶査定に対して、何を検討して、どう対応したらよいの?
・拒絶査定に対して特許庁に手続きした場合、その後はどうなるの?

以上のような疑問を持った経営者や担当者の方々のために、この記事では商標の「拒絶査定」が届いた場合の対応方法について、詳しく解説します。

商標の拒絶査定の概要

拒絶査定とは何か?

商標の拒絶査定とは、特許庁での商標登録の「審査」の最終判断として、商標登録を拒絶する結果を示すものです。拒絶査定になる理由は例えば、他の登録済の商標と類似する、商標の特徴(識別力)が無い、などがあります。

拒絶査定と拒絶理由通知の違い

「拒絶査定」と「拒絶理由通知」は、名称が似ているため混同されやすいのですが、まったく異なるものです。「拒絶理由通知」は、特許庁の審査官が登録できないと判断した場合に、出願人に対して、登録できない理由を示して反論や補正の機会を与える目的でなされます。これに対して、「拒絶査定」は、特許庁の審査官の最終判断として、登録できないと示されるものです。

拒絶査定が来ても商標登録のチャンスは存在する

拒絶査定がなされても、それで商標登録の可能性がゼロになるわけではありません。拒絶査定の理由に不服がある場合は、拒絶査定不服審判を特許庁に請求することができます。「審査」は一人の審査官によって行われるのに対して、この不服審判での「審理」は、審査官より上級の審判官による3人の合議体によって行われ、より正確・厳密な判断がなされます。
この不服審判において、出願人が適切な理由や根拠を主張して、これが認められると拒絶査定が覆ることになり、その結果、商標が登録されることになります。

拒絶査定不服審判の請求

不服審判の手続フロー

商標の拒絶査定を受けた後、その理由に納得がいかない場合、拒絶査定不服審判を請求することができます。

フロー図

拒絶査定不服審判のフローは次のとおりです。

審判請求の期限

不服審判を請求する際は、拒絶査定の通知を受け取った日から3ヶ月以内という厳格な期限が設けられています。この期限を過ぎると、不服審判の請求はできなくなるため、迅速な対応が求められます。
この審判請求に際して、拒絶査定の理由を克服する新たな証拠や補足情報を提供することができます。

請求から結論までのステップ

審判請求を行った後、方式調査のうえ、審判官3名による審理が開始されます。審理の結果、出願人の主張が認められると、拒絶査定を覆して「登録審決」がなされます。その後、出願人が登録料を特許庁に納付することによって商標登録されます。
一方、審理の結果、出願人の主張が認められなかった場合、拒絶査定を維持する「拒絶審決」がなされます。なお、拒絶審決に対しては、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提訴して争うことは可能です。

拒絶査定不服審判の成功可能性

拒絶査定不服審判の成功率は概ね60%といわれています。弁理士と密接に連携し、適切な対応を取ることで成功率は向上します。

拒絶査定不服審判の請求から審決までの期間

審判請求から審決までの期間は概ね1年という状況です。

まとめ

考え方

拒絶査定不服審判の請求は、商標の拒絶に対する最後のチャンスとも言える手続きです。また、適切な対応を取ることで、商標登録の道が再び開かれることも考えられます。
一方、数10万円の費用がかかり、最終結論での時間が1年程度かかります。事業の推進の上で、その費用や時間をかけてでも審判請求する価値があるのかどうかをよく検討する必要もあります。また、無理スジの商標について審判請求したとしても、その結果は変わらない可能性が高いといえます。
審判請求を断念すること、すなわち、拒絶査定になった商標を諦めて、新たな商標を新規に出願してしまうこともありえます。その方が結果的に事業に寄与する場合があるのも事実です。

弁理士との連携の必要性

拒絶査定に対する適切な対応策を検討する上で、専門知識を持つ弁理士との連携は不可欠です。弁理士は、商標法や特許庁の過去の判例や審理のトレンドなど、商標登録に関する専門的な情報を持っており、その知識を活かして、最適な対応策を提案できます。

当事務所への相談・依頼の流れ

当事務所では、商標の拒絶査定に関する相談を随時受け付けております。まずは、拒絶査定の通知内容や、ご自身で考えている対応策などの情報をお持ちの上、お気軽にご連絡ください。初回の相談は無料で、その後の手続きや料金についても、透明性のある明確な説明を心がけております。商標の権利確定に向けて、最善のサポートを提供いたします。
商標の拒絶査定は、事業にとって大きな課題となり得ますが、適切な対応策を検討することで、その課題を乗り越えることが可能です。経営者や知財担当者の皆様が不安を抱えることなく、商標登録を進めていけるよう、当事務所は全力でサポートいたします。

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この記事を書いた人

中小企業・スタートアップ企業の事業に関する知的財産の問題点とその解決策を「わかりやすく」伝える専門家。お客さまの知的財産に関する課題解決に必要な「最適な事業判断」を行っていただく為のサポートを提供しています。

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