売り文句を足しても売れない商品ページ、先にそろえる約束と根拠

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売り文句を足しても売れない商品ページ、先にそろえる約束と根拠

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1.公開を急ぐほど、あとから質問が増える

自社商品をネットで売り始めるとき、商品ページはつい「早く公開すること」が目的になりがちです。

  • 写真と価格だけ先に載せて、商品の違いが伝わらない
  • 納期、返品、保証、使用条件が後から質問される
  • 強い表現を入れたいが、どこまで書いてよいか不安になる

商品ページに要るのは、売り文句の量ではありません。顧客に何を約束し、その根拠をどこまで見せ、どの条件で買ってもらうかを、一つの画面にそろえることです。

下請け仕事から自社商品へ進む会社ほど、技術や品質への自信があります。しかし、その自信を「すごいです」「高品質です」だけで出しても、顧客には違いが見えません。表示の根拠も残らないままです。伝える言葉と、その言葉を支える確認は、同じ順番で整えていきます。

2.誰の、どんな場面で使う商品か

(1)機能より先に、使う場面を決める

商品ページの冒頭で必要なのは、仕様の羅列ではなく「誰の、どんな場面で役に立つ商品か」です。例えば、部品、道具、日用品、業務用品のいずれであっても、顧客は最初に次のようなことを見ています。

  • 自分の用途に合うか
  • 今使っているものと何が違うか
  • 価格が高い場合、その理由を説明できるか

ここが曖昧なまま「熟練の技術」「安心品質」と書いても、顧客は比較できません。商品ページの上部では、顧客の困りごと、使う場面、得られる変化を短く置きます。

(2)約束は一つに絞る

自社商品には、素材、加工、デザイン、使いやすさ、納期、修理対応など、伝えたい要素がたくさんあります。ただし、商品ページで全部を同じ強さで並べると、何で選べばよいのか分かりにくくなります。

最初は「この商品で一番守りたい約束」を一つに絞ります。例えば、「長く使える」「現場で迷わず使える」「贈る相手に説明しやすい」「少量でも安定して届ける」などです。その約束が決まると、写真、見出し、仕様、注意書きの優先順位も決めやすくなります。

商品ページでは、ファーストビューに置く一文、購入ボタンの近くに置く条件、仕様表で見せる数字、FAQで先に答える迷いを分けます。商品カタログのように全部を並べるのではなく、購入直前の迷いが減る順番に組み替えます。

3.商品ページに置く情報は三つに分ける

(1)約束として見せる情報

約束として見せる情報は、顧客が購入を決める理由になる部分です。用途、特徴、使用後の変化、他の商品との違い、作り手の考え方などが入ります。

ただし、約束は強く書けばよいわけではありません。「絶対」「永久」「業界最高」などの言葉は、根拠を示せない場合に危険です。商品ページでは、強い形容詞よりも、顧客が確認できる事実を先に置きます。

(2)根拠として残す情報

根拠として残す情報は、約束を支える材料です。試験結果、使用素材、製造方法、検査方法、比較条件、顧客の声、写真の撮影条件などが該当します。

消費者向けの表示では、品質や性能を実際より良く見せることも、取引条件を実際より有利に見せることも、景品表示法で問題になります。しかも、消費者庁の解説にあるとおり、優良誤認かどうかを判断するために、表示を裏付ける資料の提出を求められることがあります。

「今だけ」「残りわずか」「無料」のように、価格、数量、送料、返品の条件を良く見せる表現は、有利誤認表示の問題になります。使うときは、その条件が成り立つ期間と範囲を先に押さえます。

商品ページに書く前に、「この表現を裏付ける資料はどこにあるか」を社内で確認しておくと、売るための言葉がそのまま説明責任にもつながります。

(3)条件として明示する情報

条件として明示する情報は、買った後の行き違いを防ぐ部分です。価格、送料、支払方法、引渡時期、返品、キャンセル、保証、販売数量、申込期限などが入ります。

いくらか、いつ払うのか、いつ届くのか、返せるのか。この四つは、消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売」に、広告で表示すべき事項として並んでいます。商品ページだけでなく、カートや申込み画面で落ちていないかも見ます。

最終確認画面では、分量、販売価格、支払時期・方法、引渡時期、申込期間、返品特約を含む解除事項などを、注文確定の前に一覧性をもって確認できるようにします。商品ページの説明とカート画面の条件がずれていると、購入直前の不信感につながります。

4.外に出す前に、名前と技術情報を分けておく

(1)商品名は早めに商標を確認する

商品ページを公開すると、商品名やシリーズ名は顧客の目に触れます。良い名前ほど、後から変えるのが難しくなります。

商標は早い者勝ちです。同じような商品で近い名前が並んだとき、登録できるのは先に出願した側になります。商品名を決めたら、特許庁の商標検索の案内や、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で先に登録がないかを探します。

ただし、どこまでを近いと見るか、どの商品・役務で考えるべきかは専門的な判断になります。売り続ける商品名は、公開前に弁理士へ確認する前提で進めるほうが安全です。

(2)技術やデザインは、出す情報と伏せる情報を分ける

商品ページでは、商品の魅力を伝えるために構造、加工方法、形状、写真を見せたくなります。ここで注意したいのは、まだ外に出していない技術やデザインです。

出願前に公開した発明やデザインは、原則として新しさを失い、権利を取れなくなります。新しい機能や形そのものが売りになっているなら、ページを作り始める前に出願を検討します。

(3)外注先や販売先に渡す資料と公開ページを分ける

商品ページに載せる情報と、製造委託先、販売先、協力工場へ渡す資料は同じではありません。寸法、検査基準、加工条件、原価、仕入先、顧客リストなどは、公開ページではなく契約や秘密管理の中で扱う情報です。

下請け脱却を目指す会社ほど、「技術を分かりやすく伝えること」と「技術を出しすぎないこと」の両方が必要になります。商品ページは顧客に伝える資料、仕様書や検査基準書は社内外で品質をそろえる資料、と役割を分けておきます。

5.公開後は、売上だけでなく迷いも見る

(1)問い合わせは、商品ページの不足を教えてくれる

商品ページを公開した後は、売れたかどうかだけで判断しないほうがよいです。問い合わせ、カート離脱、返品理由、購入前の質問には、ページで伝わっていないことが出ます。

例えば、「サイズは合いますか」「どのくらいで届きますか」「他の商品と何が違いますか」と聞かれるなら、商品ページの約束、根拠、条件のどこかが弱い可能性があります。質問を営業担当だけで処理せず、ページの見出し、写真、仕様、FAQへ戻します。

(2)選ばれる理由を、次の商品にも使う

自社商品を一つ売るだけなら、商品ページは一回の販促物で終わります。しかし、下請け脱却を事業として進めるなら、商品ページは次の商品開発にも使える記録になります。

どの言葉で反応があったか、どの写真で用途が伝わったか、どの条件で迷いが減ったか。これを残しておくと、次の商品名、パッケージ、展示会資料、営業資料にもつなげられます。そこまで残せていれば、商品ページは一度きりの販促物で終わりません。

6.まとめ:書く順番を変える

商品ページを作るときは、売り文句を増やす前に、次の順で整えます。

  • 誰のどんな場面で役に立つ商品かを決める
  • 顧客への約束を一つに絞る
  • 約束を支える根拠と、購入前に必要な条件をそろえる
  • 商品名、表示、技術やデザインの公開範囲を確認する
  • 公開後の質問を、次の改善に戻す

商品の魅力をどう言葉にするか、その言葉を表示として出して大丈夫か。プロソラはこの二つをまとめて引き受けています。選ばれる理由と、それを説明できる根拠は、同じ時期にそろえておくと後が楽になります。

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この記事を書いた人

中小企業・スタートアップ企業の事業に関する知的財産の問題点とその解決策を「わかりやすく」伝える専門家。お客さまの知的財産に関する課題解決に必要な「最適な事業判断」を行っていただく為のサポートを提供しています。

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