ペルソナの作り方は?中小企業が新規事業の顧客像を活かす方法

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ペルソナの作り方は?中小企業が新規事業の顧客像を活かす方法

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新規事業のブランディングを考えるとき、最初につまずきやすいのが「誰に向けた事業なのか」を具体化する作業です。

  • ターゲットは決めたつもりだが、営業資料や商品設計に落とし込めない
  • 「中小企業向け」「30代女性向け」など、顧客像が広すぎて刺さる言葉にならない
  • ペルソナを作っても、単なるプロフィール表で終わってしまう

結論から言いますと、ペルソナの作り方で重要なのは、年齢や趣味を細かく埋めることではありません。顧客が「なぜ困っているのか」「何を信じて選ぶのか」「なぜ他社ではなく自社を選ぶのか」を言語化し、ブランドコンセプト=ブランド・アイデンティティの確認につなげることです。攻め(ブランディング)と守り(知財)を同時に考えることで、ペルソナは単なる想像上の人物ではなく、新規事業の判断基準になります。

目次

1.ペルソナとは何を決めるものですか?

(1)ペルソナは「理想のお客様」ではなく「判断基準」です

ペルソナとは、自社の商品・サービスを必要とする見込み客を、具体的な人物像として整理したものです。ただし、「45歳、経営者、趣味はゴルフ」といった属性だけでは、経営判断には使えません。重要なのは、その人がどの場面で困り、どの言葉に反応し、どの不安が解消されると購入に進むのかです。

例えば、同じ「新規事業を始めたい経営者」でも、「社内に反対されている人」と「既存顧客に遠慮して動けない人」では、刺さるメッセージが違います。前者には「社内共有しやすい言語化」が必要で、後者には「既存事業を急に捨てない段階移行の設計」が必要です。

(2)順番はセグメンテーション、ターゲッティング、ペルソナです

ペルソナ作成の前には、まず市場を分けるセグメンテーション、次に見込み客を選ぶターゲッティングがあります。この順番を飛ばして「なんとなく実在しそうな人物」を作ると、営業現場では使えない資料になります。

中小企業の新規事業では、資金も人員も限られます。だからこそ、「誰でもよい」ではなく、「最初に選ばれたい相手」を決める必要があります。ペルソナは、その相手に向けて商品、価格、説明文、販路、商標をそろえるための軸です。

2.中小企業がペルソナを作る前に集めるべき材料は何ですか?

(1)顧客の不満・不安・不便を先に拾います

ペルソナは会議室の想像だけで作るものではありません。既存顧客へのヒアリング、営業担当者のメモ、問い合わせ内容、失注理由、展示会での会話などから、顧客の本音を拾うことが出発点です。

例えば、「品質は良いが違いが伝わらない」と言われる会社は、単に品質を説明するだけでは足りません。「比較検討の場で、相手が上司に説明できる言葉がない」という不便を解決する必要があります。この不便を見つけると、ブランドメッセージや営業資料の方向性が変わります。

(2)自社の強みも顧客の言葉で見直します

経営者は「うちの強みは技術力です」と言いがちです。しかし顧客が評価しているのは、技術そのものではなく、「短納期でも相談できる」「現場の事情を分かってくれる」「試作段階から一緒に考えてくれる」といった便益かもしれません。

ペルソナ作成では、「自社が言いたい強み」ではなく、「顧客がありがたいと感じる強み」を言語化します。ここが攻め(ブランディング)の核になります。ロゴやデザインに入る前に、「誰の、どんな負担を軽くする会社なのか」を明確にすることが先です。

3.ペルソナの作り方はどのような手順ですか?

(1)最初に狙う市場を一つに絞る

まず、既存事業との相性、利益率、紹介の起きやすさ、競合の強さを見て、最初に狙う市場を一つに絞ります。ここで欲張ると、ペルソナもメッセージもぼやけます。

(2)購買に関わる人を分けて考える

BtoBの新規事業では、使う人、比較する人、決裁する人が異なることがあります。例えば、現場担当者は「作業が楽になるか」を見ますが、経営者は「粗利や採用に効くか」を見ます。ペルソナを一人に絞るよりは、意思決定プロセスに関わる人物を分けて複数のペルソナを設定します。

(3)Who・What・Whyで一文にする

最後に、「Who(誰に)」「What(何を)」「Why(なぜ他ではなく自社か)」で一文にします。例えば、「新規事業の説明に悩む中小企業経営者に、現場の強みを顧客価値として翻訳して安心して外に出せるブランドの言葉を作る」という形です。

この一文がブランド・アイデンティティとなります。商品名、サービス名、営業資料、ホームページ、展示会トークがこの一文から外れていないかを確認できるようになります。

4.ペルソナをブランド資産に変えるには何をすればよいですか?

(1)商品設計と価格説明に反映します

ペルソナに基づきブランド・アイデンティティができたら、商品説明を「機能」から「顧客の変化」に置き換えます。例えば、単に「相談対応付き」と書くのではなく、「新規事業の説明を社内で通しやすくする壁打ち付き」と表現すると、経営者の本音に近づきます。

価格も同じです。「作業時間が何時間か」だけでなく、「迷う時間を減らす」「社内説明を楽にする」「商標で後戻りしにくくする」という価値で説明できると、安売り競争から距離を置きやすくなります。

(2)接点ごとの言葉を一貫させます

ホームページ、営業資料、展示会、SNS、提案書で言葉がばらばらだと、顧客は不安になります。ペルソナを基準に、最初の見出し、よくある質問、事例の見せ方、相談への導線をそろえます。

ここで大切なのは、「経営者が言いたいこと」ではなく、「顧客が比較検討で確認したいこと」から並べることです。ブランドは自社の頭の中ではなく、消費者・顧客が識別できる状態になることが必要だからです。

5.商標・知財の守りはどこで確認すべきですか?

(1)サービス名・商品名は早めに商標調査します

ペルソナに基づきブランド・アイデンティティができたら、ネーミングやタグラインも具体化します。この段階で、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で、先行商標を確認します。J-PlatPatは無料で利用できますが、類似判断や指定商品・指定役務の判断には専門知識が必要なので、判断は弁理士に任せましょう。

(2)公開前の技術・デザインは特許・意匠も確認します

新規事業では、顧客像を固めるために展示会やSNSで早く反応を取りたくなります。しかし、技術的アイデアやデザインを公開する前には注意が必要です。特許法第29条、意匠法第3条では新規性などが問題になり、公開後では権利化が難しくなります。

一方、顧客リスト、製造ノウハウ、価格表、提案書の裏側にある判断基準などは、「営業秘密」(不正競争防止法第2条第6項)として守れるよう、秘密管理性・有用性・非公知性を意識した管理が必要です。

6.まとめ:ペルソナ作成は新規事業の「攻め」と「守り」をつなぐ作業です

(1)ペルソナはプロフィール表で終わらせない

ペルソナの作り方で大切なのは、細かな人物設定よりも、顧客の不満・不安・不便と、自社が選ばれる理由を結びつけることです。そこからブランドコンセプト=ブランド・アイデンティティ、商品設計、価格説明、営業資料へ展開します。

(2)外に出す前に守りを確認する

新規事業の言葉が固まり始めたら、サービス名・商品名・タグラインの商標調査を後回しにしないことが重要です。技術やデザインを伴う場合は、発表・展示会出展・EC販売開始よりも前に特許・意匠の出願を行うことを検討します。

(3)プロソラは攻めと守りを連動させます

完璧なペルソナを一度で作る必要はありません。まずは、今いちばん選ばれたい顧客の困りごとを一つ言葉にするところから始めれば十分です。プロソラは、攻め(ブランディング)と守り(商標・知財)を連動させ、中小企業の新規事業が安心して外に出ていける状態づくりを支援します。

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この記事を書いた人

中小企業・スタートアップ企業の事業に関する知的財産の問題点とその解決策を「わかりやすく」伝える専門家。お客さまの知的財産に関する課題解決に必要な「最適な事業判断」を行っていただく為のサポートを提供しています。

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